さて、我らが八ヶ岳の黄金畑ですが。
実はこう見えて、ひじょーに先進的な試みをしています。
なんと、講師はリモートから。
Zoomを使ってオンラインで学びつつやっているのですね。
その模様。
講師は我らが市川ジャンさんです。
以下の方です。
これは以前の様子。
このオンライン講座は我々だけで聞くにはもったいなさすぎる。
と言う訳で、広く一般にも公開することになりますた。
興味ある人は以下よりお申込み下さい。
毎月 19:00~開催してます。
次回は8月18日(火)です。
市川ジャンさん 自給農オンライン
・月1回開催
・月額1800円(税込)
・いつでも入退会可能
・当日見られなかった方には録画動画をお送りします。特徴
Zoomオンライン講座なので全国どこからでも学べます。
頑張らなくて良い農法。無肥料、無農薬でも育つ農法。
市川ジャンさんの自給農理論を体系的に学べます。講師に直接いろいろ質問できます。
これは以前のセミナーの様子。
そもそも市川ジャンさんの自給農って何?
と言う方。
ワタスが気に入ったのはずぼらでも良い。
無肥料、無農薬でも育つというところです。
我々がやってるのは現代農法とは全く違う自給自足農法です。
以下、ひじょーに詳しく説明したサイトがあったので張っときます。
FREEDASさんより
https://freedas.net/2018/05/08/report-of-self-support-farming-part1/座学で学んだ『自給農法』の理論
自然農講座の前半は座学。
そこで感じたことを含め、その内容をまとめていきます。市川ジャンさんと自給農法
・・
まずはジャンさんが自給農法を実践・経験するまでのお話からスタート。何年間も自然農法を実践し、うまく行かなかったジャンさんが限界を感じていた時に出会ったのが、糸川勉さんと言う方。
この糸川さんに『自給農法』を習ったそうです。
糸川勉さんを紹介しているブログの写真を下に引用しておきます。
それまでどうしても小さいものしか作れなかったニンジンが、この自給農法を実践するとすぐに売り物になりそうな立派なものが収穫できたとか。
そう!
私も正に、「ニンジンが細マッキー(油性ペン)レベルのしかできない…」と悩んでいました。
自給農法って何?
・肥料や農薬に頼らない農法。なぜなら「土はもうできている」と考える
・機械は不要で誰にでもできる
・100人いれば100通りの方法になる
・八百屋さんやスーパーに行く感覚で畑に行く=いつでも収穫できる『エサバ』
・頑張らない農法。高齢でもできる。⇒「労働」ではなく『本能』
もし自然農法や自給自足に興味がない人が見たら
こんなの当然「アヤシイ」と思うでしょう。
でもわたしはこの時点ですでにかなり興奮しました。
特に胸を打ったのは『100人いれば100通りの方法になる』。
ジャンさんが言うには、
「福岡さんや木村さん(奇跡のリンゴの木村秋則さん)、川口さんなどの自然農法を実践してもうまく行かない」
その理由は
「その人の農法はその人にしかできないから」なるほど!ある意味あたりまえかも?
当然イチローのマネは誰にもできないし、あの潰れたクソぼろいラーメン屋の味は2度と再現できない。
人は同じ世界に生きているように見えて、本当はその人だけの宇宙で生きている。
同じコトをしても、絶対同じにならないのがこの宇宙の法則…
とにかく個人的には超ハラオチ。
「土はもうできている」話の詳細は、次回書きます。
『感性』で作る十人十色の『エサバ』
・全ての生き物は『エサバ』を持つ。それを取り戻し、自分や家族の『エサバ』を作る
・『農』は『人間のエサバづくり』。『労働』ではなく動物と同じように『本能』を活用
・だから作業時間はふだんスーパーに買い物に行く頻度や所要時間と同じ程度でOK
・自然界では『エサバ』は生物みなで共有。多様な生物がいてこそ繁栄する
この『エサバ』という考え方をベースに、「365日収穫できる自分だけの畑」を作ることが可能になるようです。
そして『労働』ではなく『本能』を使うというのが目からウロコ。
例えばこんな感じですかね。
「この野菜は乾燥した場所のほうが元気だな…今度はこっちに種をまこう」
「このあたりは密集しすぎて苦しそうに見える…半分はあっちに移植しよう」
畑で歩くときのクセ(ルートや足を踏み込む場所)が地形や環境・その畑の個性を作る
言い換えれば、
ヒトの『本能』=『感性・五感』
感性で作り上げることで、個性ある『エサバ』になっていく。
毎日その人の感性で種をまいたり苗を植えたり草を刈ったり…
こうやって十人十色の自分だけの『エサバ』になるとのこと。
教科書・マニュアルに頼らない。
「いつもそこ(にいる人の感性)にすべての答えがある」というスタンス。
人によって感じ方が違えば、動き方も違う。
だから自然に違う畑(エサバ)になるということでしょう。
ここまでの感想として、この『自給農法』もやはり『哲学』や『思想』が出発点。
福岡さんはじめ自然農をする人はみなそうですね。
結局最後は『生き方』につながる。
今回の『生き方』は予想以上にヤバいやつでした。
なぜなら『人によって違う』=『誰でもできる』から。
さて、自給農法ではなぜ無農薬・無肥料でもしっかりと育つのか?その答えは下の4つ。
① 大地の再生力を活かす
② 『次世代土壌』を活かす
③ 分け合うことで増やす
④ 土掛け3回肥料いらずそれでは詳しく解説していきましょう。
『無肥料』『無農薬』でもしっかりと育つ!?
植物が育つために必要なもの。
それは、『光』と『水』・『空気』・『土壌の栄養素(窒素・カリ・リン)』、そして植物自身の『光合成』ですよね。
だから現代の農業の考え方では、
・肥料で土に栄養素を補って
・病気が出ないように農薬まいて
・栄養を雑草に取られないように排除
するんですね。
そして収穫が済んだ畑は土が硬くなっているからまた耕して、栄養がなくなっているからまた肥料を施して、雑草や病気の予防にまた農薬まいて…
とまあ大変です。エンドレスにお金も手間もかかります。
それにしても…
農家の人はこんなに苦労して野菜を作るのに、その割に野菜って安すぎますよね。
では『自給農法』は「植物が育つワケ」をどう考えているのか?
なぜ『無肥料』『無農薬』でもしっかりと育つのか?
その答えは
なぜ自然の中では野草や木々が勝手に(人間が手を加えなくても)健全に育っていくのか?
を考えるところからはじまります。
①大地の再生力を活かす
『自然界はみんな共同で最後は森を作る』
講師のジャンさんに教わった印象的な言葉です。
ポイントは『みんな』。
人間が何も手を加えない土地は、長い年月をかけて必ず最後には森になる…
植物だけにフォーカスした場合、その移り変わりを『植生遷移』と言うそうです。
これは何となく知っていました。
しかしこの植生遷移は、実は植物だけの力では起きないのですね。
つまり『みんな』で森を作るというのは、
植物だけでなく、菌も、虫も、鳥も、動物も、植物も、すべての生き物のすべての営みが森を作る方向に働いているということ。
それは例えば…
鳥が木の実を食べて飛んだ先で種が入ったフンを落とす
イノシシが穴を掘ってそこに窪地が好きな植物が繁茂する
白アリが弱った木に巣を作ったことで木が枯れ、菌のたくさん住む腐葉土となり、次の木をはぐくむ
このように『すべての生き物のすべての営み』は、大きく見れば森を作る方向に働くらしいです。
森を作る力=大地の再生力
自給農法は、この『大地の再生力』を抑えるのではなく、逆手にとってうまく活用する農法。
自然の持つ森に向かう力を手伝ったり助けることで、病気にならず、肥料もいらない健全な作物が育つ方法。
そのためには、『感性』を働かせてその力(大地の再生力)を見抜き、共同作業するようなイメージが必要になります。
今の農業は大地の再生力を抑える方向にだけ、ものすごく労力を使ってるから非効率なのです。
②『次世代土壌』を活かす
「次世代」とかいうと、最新の土壌改良システムのようなイメージが湧くかもしれません。
しかしもちろんそうではく、
土壌は「もうできている」と考えるから『次世代』なのです。
どういうことかというと、
植物はみな「次の世代のために土壌を作っている」ということであり、
具体的には根っこがつかんでいる土が「次世代土壌」となります。
自然の植物(野草や雑草)は、自分の子供や子孫(次世代)が育つために最適な環境を自分の根っこのまわりに作っているということです。
つまり雑草だろうと、何か植物が生えていれば、そこには必ず次世代土壌が存在することになりますね。
これはなぜ自然界では『連作障害』が起こらないのか?(雑草は毎年同じ場所に生える)
という問いを考えてみても納得できます。
土壌が持つこの本来の力を使えば連作障害も起こらない。
というよりも逆にどんどん連作に適していくということ。
この話を聞いたときは、気持ちいいぐらい常識が崩壊し、自然の摂理に沿った理論に心底納得しました。
よく言われる「土ができていない」のではなく、「すべてここにある」と考えることから自給農法がはじまります。
植物が育つために一番いい土壌は雑草などがすでに作ってくれている。
「土はもうできている」んです。
ただ、ここでふと疑問が…
「理論は納得。でもさ…オレも雑草は排除しないでやってきたのに、あまり育たなかったよ…なんで?」
その答えは講師のジャンさん語録からいただきます。
「野菜って、外人なんですよ(原産地はほとんど外国)。だから地元の人(雑草)がたくさんいるところに種をまいたり苗を植えると遠慮するんです」
「だからそこを手伝ってある程度勢いのある状態(根っこがしっかりとした状態)にしてあげられれば、今度は周りの地元の人が遠慮しはじめます(しっかりと育ちだす)」
「苗を作るはじめの1ヵ月で、しっかり収穫できるかどうかの7割が決まります」
「そういう意味ではホームセンターの苗はほぼ全滅です。ちゃんとした苗でないと、その後挽回するのはかなり難しいです」
なんだか…
全部人間と同じですね。
当たり前のことだけど、なかなか気づけない視点です。
自然農法でよく言われる
『雑草を敵にしない』
『自然は耕さない(不耕起)』
などの素敵な言葉をうわべだけで実践してもダメってことがハッキリしました。
方法論ではなく、もっと当たり前の『感性』で向き合わないといけなかったんですね…
反省。
Q:具体的に次世代土壌をどう活かすの?
A:・根土を集めるために、雑草の根までの表層を削った土でウネを作る
・根土の中に種まきをする。根土のポットで苗づくりをする
詳細はまた違う記事で。
③分け合うことで増やす
…分け合ったら減らないにしても増えはしないのでは?
たしかにふつうはそう思います。
ここでもジャンさん語録をどうぞ。
「自然界はいつもバブル(終わらない)。倍々ゲームで増える」
「生き物はそれぞれの役割をまっとうしているだけ。どの行為も実は分け合っている」
「多様性があればあるほど豊かな場所になり、共存共栄できる」
例えば、お米(イネ)は「一粒万倍」と言われます。
実際には慣行栽培(一般的なコメの栽培方法)で多くて2,000粒程度(参考:クボタのタネ)。
それでも2,000倍ってすごいです。
たしか仮想通貨バブルでも1,000倍ぐらいだったのにそれ以上。
…しかも終わりがない!
そんなふうに倍々ゲームな自然界は、全ての動物が分け合っているからこそ成り立つということ。
例えば…
ある虫を『害虫』として排除した場合
① その虫が食べていた草が増えすぎる
② 他の草が育ちにくくなる
③ 他の草を餌とする虫がいなくなる
④ その虫が好きだった鳥がこなくなる
⑤ その鳥のフンが好きな微生物がいなくなる
⑥ その微生物が好きだった病原菌が発生しやすくなる
⑦ 病原菌によって、さらに偏った植物しか育たなくなる
⑧ 繰り返しながら負のスパイラルへ…
とまあこんな感じでしょうか。
だから本当は、雑草や虫がたくさんいる多くの生物にとってのいい『エサバ』であればあるほど、人間にとってもいい『エサバ』になるはずなのです。
『害虫』という言葉も、人間サイドが勝手に思ってるだけ。
ほかの自然界からすればいい迷惑です。
そして、人間サイドの視点のみでその虫を駆除すれば、回りまわって最後は人間に悪影響を及ぼします。
④土掛け3回肥料いらず
この言葉、わたしは初めて聞きました。
昔から日本の農家に伝わる言葉(格言?)だそうです。
講師のジャンさんが、
「他の内容は忘れても、これだけは絶対に覚えて帰ってほしい!」
と言ったほど重要なテクニックです。
具体的には、
収穫までに3回、ウネの側面の表面を雑草ごと削って、草と土をフワッと混ぜて(チャーハン状態と呼ぶそう)作物の根本にかける
これで除草と肥料やりが同時に完了するとても効率的・合理的な方法とのこと。
ちなみにジャンさんは
「5回とか7回とかいろいろ試したけど、結局3回以上は変わらないので、やっぱり3回が一番いい」
と言ってました。
ジャンさん、実践の人です。
これに関しては詳細な理論の説明はありませんでした。
ともかく古来からのテクニックとのこと。
自給農法が無肥料・無農薬で育つワケまとめ
①大地の再生力を活かす
②『次世代土壌』を活かす
③分け合うことで増やす
④土掛け3回肥料いらず
『思想的・感覚的』な内容と『科学的・実践的』な内容のバランスがいいですね。
個人的に、今まで独学した自然農法は思想や思い(罪悪感や正義感)が色濃くて、実際的な部分は弱いと感じていました。
それらに比べると「これなら本当にいい野菜ができそう」と素直に納得できるものでしたね。
続きは以下のブログへ
自給自足なら『自給農法』座学編③:自然界での人間の役割とは?
と言う訳で、考えるな感じるんだ!
今年は農業やるんだ!
本当にありがとうございますた。